中国:「IAEAの対応を批判」で孤立
China: Isolated for “criticizing IAEA response”
中國:因「批評國際原子能總署的反應」而被孤立
ーIAEA総会、中国だけ明確に反対ー
ー世界の反応は、おおむね処理水放出に賛成ー
時事ドットコム掲載記事からサマリーをお届けします。
IAEA総会を開催:
ウィーンで開かれている国際原子力機関(加盟177カ国)総会。
9月27日、各国代表による一般討論演説が終了した。
東京電力の処理水の海洋放出:
東京電力福島第1原発からのトリチウムを含む処理水の海洋放出が始まって1カ月余り。
中国のみ明確に反対表明:
3日間の演説で登壇した133カ国のうち、「明確に反対表明したのは中国だけ」だった。
大多数は、「中国のIAEAに対する批判」を支持していない。
ただし、各国の姿勢にも濃淡がある。
東電の処理水放出を支持:
世界の大半は、「IAEAによる独立した立場からの監視」や「日本の取り組み」を支持した。
ドイツやイタリアなど欧州勢:
日本の協力姿勢と透明性を評価する(ブルガリア)との声もあった。
IAEAの権威を守ることは、われわれの利益になる。
IAEAの威光が弱まれば、核施設の査察や監視業務に悪影響を及ぼしかねない。
危機感が、欧州の放出計画支持の動きにつながった。
中国のみ、IAEAの対応を批判:
中国は、IAEAの関与について、
1.IAEAは「独立性に欠ける」
2.IAEAのデータは「真実かどうか疑問だ」と批判した。
この発言が裏目に出て、IAEAの権威に対する挑戦と受け止められた。
中国に賛同する国は、数か国:
中国に同調する国は少ない。
シリアは、「非常に憂慮すべきこと」と懸念を示したが、反対していない。
ベネズエラやロシアは、これまで中国と歩調を合わせてきたが、沈黙した。
ソロモン諸島は、IAEA非加盟のため発言機会がなかった。
韓国は相変わらず批判的:
「汚染水という表現」を用いて、IAEAに監視を緩めないよう注文を付けた。
IAEAのグロッシ事務局長:
処理水放出は、今後数十年に及ぶ。
「最後の一滴まで」監視を続けると強調。
日本政府代表も「最後の一滴まで」安全を確保すると口をそろえた。
IAEA総会:処理水放出に関する主な発言
(発言順)
【中国】
原発事故による核汚染水放出は前例がない。
放射性物質の蓄積がもたらす海洋への影響には大きな不確実性がある。日本から信頼できる説明はない。
【韓国】
汚染水放出計画の安全性を慎重に審査したグロッシ事務局長の指導力に感謝。効果的な監視が続くことを切に期待。
【ブラジル】
ザポロジエ原発の支援や福島第1原発の現場常駐など、非常に困難な状況でのグロッシ事務局長の指導力に敬意。
【ドイツ】
IAEAの専門性と中立性を全面的に信頼。
【イタリア】
IAEAの包括報告書と監視を歓迎。
【シリア】
非常に憂慮すべきだ。解決に向け、地域の全ての国が協力して取り組むよう求める。
【マレーシア】
IAEAの科学的で技術的な判定を大いに評価。
【ニュージーランド】
核実験がトラウマのように残っている。
重要な関心事。対話と情報共有への取り組みを歓迎。
【オーストラリア】
IAEAの独立した科学に基づく助言を全面的に信頼。日本の透明性や国際的な関与を歓迎。
【エクアドル】
安全性を確保するという日本の姿勢を認識。水産業と生態系があり、更新情報を注視。