豪新型フリゲート艦:最終候補は、日本又は独に決定か
Australia’s new frigate: Japan or Germany may be the final candidate
澳洲新型護衛艦:日本還是德國將成為最終候選
・スペイン企業と韓国企業が入札から排除
・TKMSと三菱の間で最終入札が行われる
共同通信掲載記事からSummaryをお届けします。
オーストラリアの公共放送ABC:
11月8日、豪海軍の新型艦について、共同開発国の候補を、4カ国から日本とドイツに絞り込んだ。
韓国とスペインは候補から外れた。来年に共同開発国を最終決定する。
日本は、海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)をベースにすることを想定している。
オーストラリアのマールズ国防相:
新型艦を11隻配備する計画である。
総額は111億豪ドル(約1兆1300億円)を見込む。
オーストラリア軍は慢性的な兵士不足に悩む。
日本のもがみ型は、従来型護衛艦の半数の約90人で運用できる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/365561
豪海軍フリゲート調達:スペイン企業と韓国企業が入札から排除へ
Grandfleet 掲載記事からSummaryをお届けします。
豪国防省の新型フリゲート艦調達:
2024年6月、汎用フリゲート調達でドイツ、スペイン、日本、韓国の造船企業に、情報提供の要望書を送った。
豪安全保障委員会の勧告:
安全保障委員会が、豪政府にNavantia、現代重工業、Hanwha Oceaの入札除外を勧告した。
11月7日豪メディアが、「スペインと韓国は、入札から排除される。TKMSと三菱の間で、最終入札が行われる」と報じた。
一方、欧州ではFincantieriがTKMS買収に名乗りを挙げた。
アルバニージー政権の計画:
豪政権は、海軍再編に関する分析結果を今年2月に発表した。
この報告書は政府に「水上艦戦力を2倍に増やせ」と求めている。
1.ハンター級フリゲートの取得数を9隻→6隻に削減し、
2.アラフラ級哨戒艦の取得数を12隻から6隻に削減する。
有人運用も可能な大型無人艦(6隻)と汎用フリゲート(11隻)を取得するよう勧告。
Project Sea 3000の選定:
1.2025年中に行われ、海外で建造される1番艦の就役は2030年を予定している。
2.オーストラリアで建造される4番艦から6番艦までは、同一仕様になる。
7番艦以降の仕様をどうするかは決まって無い。
各国の入札準備態勢:
日本の態勢:
このプログラム受注企業は、「自国建造の3隻を、2030年までに引き渡す必要」がある。
1.日本は、オーストラリアの入札に「政府の後押しを受けた三菱重工業」が挑戦している
2.日本は、引き渡しに万全を期すため、オールジャパンで臨む可能性が高い。
韓国の態勢:
現代重工業とHanwha Oceaが、ワンチームでの受注戦参加を目指す。
一方、両社はKDDXの機密流出裁判で対立し、協力関係を築くのは無理だ
フリゲート建造ドックが不足:
韓国の場合、フリゲート・特殊船用ドックは、現代重工業に2つ、Hanwha Oceaに1つしかない。
1.仮に受注できても、両社が別々に造しないと納期に間に合わない
2.1社で国内建造3隻と海外建造8隻の全責任を負うのはリスクが高いのだ。
ドイツの態勢:Australian Financial Reviewの記事
ドイツ提案について、
1.MEKO A-200の設計は、「アンザック級フリゲートを、大型化・近代化したもの」で親しみがある。
2.TKMSの輸出経験も加味すると、低リスクの選択肢とみなされる。
入札の最終候補者発表:
因みに、入札最終候補者発表は11月下旬に行われ、入札勝者決定は来年に行われる。
FincantieriがTKMS買収に参入:
欧州ではFincantieriがThyssenKruppの艦艇部門=TKMS買収に名乗りを挙げている。
最終的な勝者がイタリアになるという可能性もある。
米国の投資会社・Carlyle:
ティッセンクルップの艦艇部門=TKMS買収を検討していたが、2024年10月までに撤退した。
1.Fincantieriは、EURONAVAL2024で我々の力を独政府に提供できると宣言した。
2.買収が成立すれば、TKMS親会社がThyssenKruppからFincantieriに変わる。