富士通:電波送信装置の小型化:高出力広帯域パワーアンプ(動画):  Fujitsu:Radio wave transmitters:High power broadband power amplifier:  富士通:无线电波发射机的小型化:大功率宽带功率放大器

図1 (左)従来の送信装置 (右)開発した技術を適用した場合の送信装置

図2 開発した3次元配線構造、それにより構成されるGaNパワーアンプの概念図とその実装写真

富士通:電波送信装置の小型化:高出力広帯域パワーアンプ(動画): 
Fujitsu:Radio wave transmitters:High power broadband power amplifier: 
富士通:无线电波发射机的小型化:大功率宽带功率放大器

2020年8月4日

富士通研究所:

高出力広帯域パワーアンプの設計技術を、新たに開発しました。

電波送信装置の小型化を可能にします。

  1. 電力合成器への適用により、
  2. 増幅器の広帯域性能を従来の2倍へ拡大、
  3. 装置の小型化を実現しました。

電力増幅器(パワーアンプ):

  1. 電力増幅器(パワーアンプ)1台で、
  2. 数百メガヘルツ(MHz)から
  3. 数ギガヘルツ(以下、GHz)まで、

幅広い周波数帯で信号を出力できます。

この設計技術を開発しました。

広帯域パワーアンプ:

今回、パワーアンプ・電力合成器に、インピーダンス変換機能を持たせました。

これで、トランジスタと電力合成器とのインピーダンスの差分を小さくできます。

実現の方法:

その手段として、

  1. 薄い回路基板の下部の筐体を空洞化し、
  2. その基板の表面と裏面の両面に幅広い信号配線を形成、

3次元配線構造の結合線路を電力合成器に、適用しました。

2倍の周波数広帯域化:

この設計手法に基づき、

  1. これまでの増幅器性能に比べて
  2. 2倍の周波数広帯域化を、
  3. 高出力特性を損ねることなく実現しました。

この技術を適用することにより周波数ごとに複数必要であったパワーアンプの共用化が図れます。

電波送信装置の大幅な小型化、構造の簡素化を実現できます。

本技術の詳細は、8月4日(火曜日)から開催する国際会議「IMS2020 (International Microwave Symposium 2020)」にて発表します。

開発の背景:

様々な周波数帯の電波を送信するためには、

用途ごとの規格に対応した周波数帯をカバーする電波送信装置を設置し、

それぞれに異なるパワーアンプを用意する必要があります(図1左)。

従来の問題点:

しかし、電波送信装置が大型化するので、一台で複数規格に対応する周波数帯をカバーできません。

共有化できる高出力なパワーアンプの開発が求められています。

パワーアンプは、送信信号を必要な出力まで高めることにより電波の到達距離を伸ばす働きをします。

電波送信装置を構成する部品において、高出力かつ広い周波数帯をカバーするのが困難な部品であるため、電波送信装置の共用化を阻む要因となっていました。

富士通

https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/08/4.html