MHI:年内に水素ガスタービン発電実証
MHI: Hydrogen gas turbine power generation to begin within the year
三菱重工:年內開始氫燃氣渦輪發電
ーGTCC発電プラントで水素混焼を開始ー
ー3Dプリンターで水素ガスタービン製作ー
日経クロステック(xTECH)掲載記事からサマリーをお届けします。
MHI「高砂水素パーク」:
ーMHI水素技術の総合実証施設(兵庫県高砂市)ー
2023年11月、大型ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プラントで水素混焼試験を開始する(図1)
水素混焼試験を開始:
まずは、水素含有率(天然ガスとの体積比、混焼率)30%から開始。
実機検証を通じて、’MHI製品の信頼性’を、いち早く世界に示す。
大型ガスタービン:コンバインドサイクル(GTCC)
発電プラント:
1.GTCCは、ガスタービン発電に加え、’発電排熱を利用して蒸気を造る発電方式’のこと。
2.発電排熱で蒸気タービンを回す。さらに発電、エネルギー効率を高める。
ガスタービンの燃焼温度が高いほど、蒸気タービン側の発電効率が向上する。
発電効率64%を実現:
同社が高砂水素パーク内に保有するGTCC。
ガスタービン入口温度1650℃で、最高クラスの大型ガスタービン「JAC形」を搭載(図2)。
発電効率64%を実現した。
コストを抑えCO2減:
ガスタービン発電での水素燃料転換は、天然ガス発電設備をそのまま流用可能(図3)
水素供給設備など最小限の設備投資で済む。
コストを抑え既設発電所のCO2排出量を減らせる。
JAC形ガスタービンの場合:
燃焼温度が高いJAC形ガスタービン。
混焼率を高めるために燃焼器改良が必要だ。
1.水素を混焼すると、燃焼器で火炎が逆流する。
2.その熱で、燃料と空気を送り込むノズルが溶けてしまうのだ。
3.水素燃焼速度が、天然ガスより速いため起こる。
金属3Dプリンターで製造:
「マルチクラスター」方式
三菱重工は、水素混焼率を高めるために、ノズル本数を大幅に増やした「マルチクラスター」方式を考案(図4)。
既に新燃焼器開発を完了し、実証開始のめどが立った。
3Dプリンターでノズル制作
この方式では、ノズル1本当たりの燃料流量を下げて流速を高める。
燃焼温度や発電効率を維持しつつ、火炎逆流を抑制。
マルチクラスターの複雑なノズル形状を、3Dプリンターで試作。
2024年、この燃焼器を搭載したガスタービン「H-25形」で、水素100%(専焼)試験を予定している。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08539/
高砂水素パーク:世界最大級の水素製造能力
ニュースイッチ掲載記事からサマリーをお届けします。
三菱重工業
「高砂水素パーク」を本格稼働させた。
水素製造から発電までの技術を一貫して検証する。
水電解装置による水素製造:
ガスタービン実機での水素混焼・専焼を、2024年までに検証する。
脱炭素の手段の水素ガスタービンの早期商用化につなげる。
水素の製造・貯蔵・利用:
製造エリア:
毎時1100ノルマル立方㎥。’世界最大のアルカリ水電解装置’が稼働した。
同装置はノルウェーのハイドロジェンプロ製。
貯蔵エリア:
製造した水素を、総容量3万9000ノルマル㎥の設備に貯蔵。
利用エリア:
年内に、出力45万kwの大型製品で30%の混焼発電を検証。
2024年、4万kwの中小型製品で専焼実証を計画。
水素製造の新技術
ー自社技術で開発を進める固体酸化物形電解セル(SOEC)ー
水電解装置などを検証・実証中。