
中国の泣き所:日本の半導体技術が最強の武器
1.日本の製造装置がなければ、中国は半導体を作れない!
2.日本の材料は、中国半導体の歩留まり向上に不可欠だ!
Yahooニュース掲載記事から速報をお届けします。
By TokioX’press
SemiConductor, EUV RisoGraphy

【その1】:半導体製造装置の規制:日本対中国:
中国の高圧的な日本叩きに対して、日本が持っているカードは何か?
日本の中国に対抗するカードで、最強のものは「半導体製造装置」である。

1.米連邦議会のレポート:<半導体とCHIPS法>:Congress.gov:
2023年9月28日、「日本の半導体製造装置シェアは35%」、特定製造装置では、ほぼ独占状態である。

2.米CSISのレポート:<日本は半導体産業の活性化を目指す>
2023年8月25日、「日本は、半導体製造装置や半導体材料分野で、ほぼ独占する」と報じた。

東京エレクトロン(TEL):
・TELが、EUV専用インラインコーター/デベロッパーを開発、「印刷と同時コーティングする特殊装置」を開発した。
・TELのインラインコーター/デベロッパーは、EUV世界市場で100%のシェアだ。
1.EUVリソグラフィ:
EUVリソグラフィは、波長13.5nmのEUVを使う。半導体回路パターンを作る最先端露光技術だ。
・日本は、先端ノードのチップ製造で、EUVリソグラフィ装置の多くを生産している。
・この技術は、7nm以下の回路パターン形成を可能にし、高性能スマホ製造に必須だ。

2.チップ・スタッキング:
東京エレクトロンは、「300mmウェハーでのチップ・スタッキング」実現を目指す。
・半導体チップを複数枚積み重ねて、半導体チップ集積度を高める技術だ。
・電子機器の小型化、高性能、省電力など、基板の実装面積を減らすことが可能となる。

東京エレクトロンの世界戦略:
ナノスケール科学工学カレッジ(CNSE:NY・アルバニー)
・TELは、数百人の従業員を派遣し、IBMと共同研究・開発を実施中。
・TELは、日本の新生産施設建設で、2023年3月、1億6,700万ドル投資した。

半導体製造装置企業:世界シェア・ランキング:(CSISからの引用):
1.フォトマスク:
日本のJEOL(日本電子)とニューフレア・テクノロジー:EUVリソグラフィ用マスク製造の世界市場で、91%のシェア。
2.レジスト処理:
日本の東京エレクトロンとSCREEN:レジスト処理に必要な装置の世界市場で、96%のシェア。
3.ウェハー結晶加工:
日本のアクレテック、オキモト、トーヨー、ディスコ:ウェハー結晶加工装置の世界市場で、95%のシェア。
4.ウェハー搬送装置:
日本のローゼ、ダイフク、ムラテック:ウェハー搬送装置の世界市場で、88%のシェアを占めている。

中国の半導体製造:製造装置の輸入シェア:インドのメディア(Techovedas):2025年10月14日
中国の半導体製造装置輸入のうち、日本が何パーセントを占めているか?
中国の日本製半導体輸入減少は、中国自立の兆しなのか?
1.2025年上半期において、日本からの輸入は64億ドル、中国国産は69.3億ドルだ(499.9億人民元)
2.2025年上半期において、すでに中国国内生産が、日本からの輸入を上回った。

図表1:中国の半導体製造装置の日本からの輸入と中国国内生産の推移
「中国製造2025」:中国のハイテク国家戦略:
もし、日本が中国に対し、けん制カードを切るなら、早い方がインパクトが大きい。
1.図表1からわかるように、中国は日本からの輸入を減らし、中国国内の成長を加速している。
2.中国の日本依存度は大きいので、日本は「半導体製造装置の輸出規制」を早く行った方がいい。

【その2】:日本の半導体材料の規制:
1.ハイエンドフォトレジスト:
・信越化学工業、東京応化工業、JSR、富士フイルム エレクトロニクスマテリアルズの4社。
・日本企業が、先端チップ製造向け、ハイエンドフォトレジストで世界生産の75%を占めている。
日本は、事実上の独占状態にある。住友化学も、フォトレジスト生産市場に新規参入した。
2.日本の半導体材料:14種類の主要材料:
・日本は、数十年にわたり、世界最大の半導体材料メーカーであり続けている。
・チップ製造に不可欠な14種類の主要材料のうち、それぞれで50%を超える世界シェアを握っている。

3.日本の3Dチップパッケージング:複数半導体の3D積層:
・日産化学や昭和電工など、日本の半導体材料サプライヤー各社。
・日産化学は、3Dパッケージングにおいて、2024年に新技術(=一時接着用の接着剤)を開発した。
4.日本のシリコンウェハー:世界トップの製造シェア:
・日本の材料メーカーであるSUMCOと信越化学工業の2社。
・チップ製造に不可欠な、シリコンウェハーの世界市場で、シェアの60%を占めている。

OECD(経済協力開発機構):ウェハー市場ランキング:
・世界のシリコンウェハー市場の50%超は、日本企業の信越化学工業とSUMCOの2社によって供給されている。
・中華台北の環球晶圓(グローバルウェーハズ、Global Wafers)や、ドイツのシルトロニック(Siltronic)が挙げられる」

中国側の輸入依存度:中国のウェハー自給率:
つまり、中国側の依存度として「中国のウェハー自給率は50%近くで、輸入依存度も50%」だ。
しかし、中国は、KrF用のフォトレジストの段階であるが、フォトレジスト国産化を始めたという点に、注意すべきだ。

【その3】:日本の高精度工作機械の規制:
日本が持っているカードの最後の事例として「高精度工作機械」を挙げることができる。
2025年2月25日、フィナンシャルタイムズが、「中国は高精度工作機械の習得に苦戦している」と分析した。
・中国はAI、再生エネルギー、半導体、EV分野で、前進を遂げた。
・しかし、製造業に不可欠な最先端(高精度)工作機械の開発に、苦戦している。
日本、欧州、米国企業が、ハイエンド工作機械を製造し、中国に供給している状態だ。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c66548014d4069d45b11e5ced627b5b7094f9593