中国の先進技術:半導体性能が急速進化
China’s advanced tech: Evolution of semiconductor performance
中國先進技術:半導體性能快速演進
・著名大学に、多くの中国製装置
・’211工程と985工程’で研究推進
日経クロステック(xTECH)掲載記事からSummaryをお届けします。
中国の半導体開発:
中国は、半導体の国産比率向上を目指す。
中国は、当然ながら、「半導体教育」に力を入れている。
実際、中国半導体業界からの人材需要は大きい。
中国電子科技大学を訪問:(写真1)
2023年12月筆者は、四川省成都市を訪れた。
大学院レベルの半導体教育の現場である電子科技大学を訪問。
中国の半導体教育政策
中国政府は、半導体に関する研究教育を強化する。
’国家集積回路産学融合イノベーションプラットフォーム’を設立した。
超一流の第1期校と第2期校:
2019年の第1期校:
第1期校に、北京大学、清華大学、復旦大学、厦門大学の4校を選定した。
2021年の第2期校:
第2期校に、華中科技大学、南京大学、電子科技大学、西安電子科技大学の4校を選定した。
中国の高校生のうち、トップ1%未満が入学する超一流大学だ。
’211工程と985工程’プログラム
上記大学は、中国重点化プログラムの’211工程と985工程’に選ばれた。
現在、その統合プログラムの「双一流」に認定されている。
1.第1期校:
清華大学と北京大学は環渤海地域、
復旦大学は長江デルタ地域、
厦門大学は珠江デルタ地域、
2.第2期校:
中国内陸部で、有力大都市圏をカバーしている。
華中科技大学=武漢市、
南京大学=南京市、
電子科技大学=成都市、
西安電子科技大学=西安市、
電子科技大学:
2021年、電子科技大学は3.5億元(70億円)の助成金を獲得。
産学融合プラットフォームで、集積回路の研究を進める。
1.成都ハイテクパーク(成都高新産業開区)で、
2.重慶西永エレクトロニクス(重慶西永微電子産業園区)で、
3.中国電子科技集団(CETC)などと共同研究。
中国電子科技集団:(CETC)
傘下に、中国情報産業部直轄の研究所(=ナンバー研究所)を、多数抱えている。
1.CETCは、エレクトロニクス・IT全般を研究対象とする。
2.また、米国の「エンティティーリスト」に指定された。
電子科技大学・クリーンルームを訪問:
電子科技大学は、集積回路理工学科校舎を新築した。
新校舎の前には、Chen Xingbi氏の銅像が設置。
陳星弼氏は、パワー半導体研究の功績者である。
成都国家“芯火”双創基地:
インキュベーション拠点、双創基地(写真4)が併設されている。
1.ここは半導体企業に集積回路設計、
2.テープアウト、テスト、トレーニング、
3.資金調達、インキュベーションなど提供する。
クリーンルームを設置:
新校舎の1階と2階にクリーンルームがある。
その大きさは約2500m2にもなる。
なお、その他に以前からある1000m2ほどのクリーンルームがある。
最先端クリーンルームを見学:
電子科技大学のご厚意で、最新のクリーンルームを見学した。
多くの中国製の半導体製造装置が設置されている。
目立ったのは、前述の中国電子科技集団製の装置である。
“SEMICORE”ブランド:
製品は、まだクリーンルームに設置されていない。大きなコンテナで到着していた。
1.ウェットステーション、ダイサー、グラインダーなどがあった。
2.さらに、イオン注入装置も同社製である。
このイオン注入装置は、2023年実用化されたばかりのもの。
リソグラフィー装置とエッチング装置:
一方、リソグラフィー装置とエッチング装置は主に海外製である。
リソグラフィー装置:
日本・ニコンのステッパー(またはスキャナー)、
ドイツ・Raith(レイス)の電子線描画装置、
ドイツ・SUSS MicroTecのマスクアライナーなど、
エッチング装置:
米Oxford InstrumentsのICP(Inductively Coupled Plasma)エッチャー、
米 Coupled Plasmaエッチャー、
米PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置、
韓国GigaLaneのDRIE(Deep Reactive Ion Etching)装置、
28 nmノード対応:
前工程装置は、基本的に28 nmノードに対応している。
露光装置は、KrFステッパー(またはスキャナー)のようだ。
前工程装置以外:
ダイサー、テスター、チップハンドラーなど、中国製の量産用実装装置を導入。
教育・実習用の装置:
型酸化炉(3インチ、4インチ)が4台設置してある。
学部生が自ら操作、実習するための教育用装置とのこと。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08905/
中国の半導体:米国規制下でも、更にシェア拡大へ
日経クロステック(xTECH)掲載記事からSummaryをお届けします。
台湾の調査会社:トレンドフォース
中国半導体・成熟プロセス対する、米国規制の影響を分析した。
中国半導体・世界市場シェアは、今後拡大するとの予測を示した。
中国のウエハー生産能力:
12インチ(300mm)ウエハーに換算した中国のシェア。
2022年から2pt増加して、2026年に26%生産の見込み。
2026年の中国シェア:
’40/28nm製造装置の対中輸出が、承認される前提’で、試算した。
2026年の中国シェアは、28%に達する。
米日蘭が対中輸出規制を実施:
米国や日本、欧州で、半導体製造装置の対中輸出規制が進んでいる。
露光装置の輸出制限:
2023年6月、先端半導体製造装置の追加輸出管理規制を9月開始した。
EUV露光装置に加え、DUV露光装置が輸出制限対象になった。
成熟プロセス(55/40/28nm)への影響:
トレンドフォースの予測:
55/40/28nmの成熟プロセスでは、中国の生産や開発への影響は少ない。
フォトリソグラフィー関連装置を除いて、最小限にとどまるという。
例えば、成膜装置は中国企業の供給で、中国内の需要を満たせる。