村田製作所は表面処理で実装性を高めた
全固体電池は爆発・火災の心配がない(TDK)
マクセルが開発したコイン形全固体電池(1円玉との比較)
太陽誘電は21年度中に全固体電池を量産
日本:全固体電池の最新開発動向:トヨタ、村田、TDK(動画):
Japan: Latest trends for all-solid-state batteries: Toyota, Murata, TDK:
日本:全固态电池的最新发展趋势:丰田,村田,TDK
ー全固体電池の世界市場ー
富士経済:
- 全固体電池の世界市場は、
- 2018年の24億円に対して、
- 35年には2兆6772億円に、
拡大すると予想する。
全固体電池に置き換え:
実際、2021―2022年にかけて、
現在のリチウムイオン電池から、全固体電池に置き換えが始まる。
最終的に、すべて全固体電池に切り替わると予想する電子部品メーカーもある。
TDK:表面実装型量産
TDKは、表面実装部品(SMD)対応の「セラチャージ」を2月から量産を開始。
月産3万個だが、受注状況に応じて、同10万個に引き上げる予定。
「セラチャージ」は、セラミック固体電解質を使用し、液漏れや爆発、火災の心配がない。
小型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)の積層技術を応用している。
容量は、100マイクロアンペア時と、小型ボタン電池と同等。
充放電サイクルは、1000回以上を実現。
定格電圧は1・5ボルト。
動作温度は、マイナス20度―プラス80度C。
製品外形は、縦4・4×横3・0×高さ1・1mm。
小型・積層セラミックコンデンサー(MLCC)の積層技術を、応用している。
村田製作所:ロボ・IoT向け投入
小型で高容量の全固体電池を、20年度下期、月産10万個の量産を開始する。
補聴器やロボット向け:
位置制御機器や、工場などIoT機器にも採用の予定。
容量は2ミリ―25ミリアンペア時で、他社開発品より100倍ほど高容量。
サイズは、縦5―10、横5―10、高さ2―6mmで、表面実装可能な小型サイズ。
マクセル:高耐熱・長寿命
マクセルは、10月から電池の生産拠点に、生産設備を増強した。
2019年9月からサンプル出荷を開始しており、2021年内に本格的に量産する予定。
固体電解質には、三井金属と協業して開発した材料を使用。
ウエアラブル機器や工場自動化(FA)機器などへの用途を想定する。
- マクセルの全固体電池は小型でコイン形。
- 高耐熱と長寿命な電池を目指す。
- ー50から+125度C、幅広い温度領域で性能を発揮。
- 直径9・5×高さ2・65mmというサイズ。
太陽誘電:小型・大容量を両立
太陽誘電は、21年度中の量産化を目指している。
独自の酸化物系固体電解質セラミックスを使用、セパレーターなどが不要。
水分やCO2にほ反応せず、電解液を使用していないため燃えることがない。
サイズは、縦4・5×横3・2×高さ3・2mmと
縦1・0×横0・5ミリ×高さ0・5mm。
FDK:次世代電池開発狙う
FDKは、全固体電池や、ニッケル亜鉛電池、水素空気二次電池といった次世代電池開発を進めている。
現在、SMD対応の小型全固体電池の量産化に向け、整備を進めている。
2019年にはサンプル出荷を開始。
2021年3月には月産30万個、2022年度には月産200万個規模にする予定。
産業用機器やIoT機器用電源などでの使用を見込む。
サイズは、縦4・5×横3・2×高さ1・6mm。
トヨタ:EV作動に成功
トヨタ自動車は、20年代前半実用化を目指し、全固体電池開発を進めている。
東京工業大学と共同:
2011年に東京工業大学と共同で、「正極と負極の間を、電気が行き来しやすい固体電解質」を発見した。
- 現行のリチウムイオン電池に比べ、
- 体積当たりのエネルギー密度を、
- 2倍以上に高められるという。
実証実験では、「トヨタ車体製EV・コムスを動かすこと」に成功した。
トヨタとパナソニック共同出資:
電池基幹部品「セル」の開発を、トヨタとパナソニックの共同出資のPPESが担当。
複数のセルを接続して、電池パックにする。
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