東大:フェムト秒レーザーで極端紫外光:金属ナノ粒子レジスト薄膜加工(動画):
Tokyo Univ: Femtosecond laser/extreme ultraviolet light: Processing metal nanoparticle resist thin film:
东京大学:飞秒激光发射极紫外光:处理金属纳米粒子抗蚀剂薄膜
― 極端紫外光の回折限界集光が拓く、微細加工の最前線 ―
東京大学:研究グループ
近赤外域のフェムト秒レーザー光の高次高調波として、極端紫外光を発生させました。
- その極端紫外光を回折限界にまで集光、
- 試料に照射することによって、
- サブマイクロメートルスケールでの、微細加工を実現しました。
レーザー加工:
レーザー加工では、「如何に微細に加工できるか」が、最も大きな課題です。
光の波長が短い程、回折限界のサイズが小さくなるため微細加工に適しています。
近赤外域:フェムト秒レーザー
- 「近赤外域のフェムト秒レーザーを希ガスなどの媒質に集光すること」で、
- 「高次高調波として極端紫外域の超短パルス光を発生させること」が、できます。
そのため、極端紫外域の高次高調波は微細加工のための有力な光源として注目されてきました。
極端紫外域光の集光:現状の問題点
ところが、極端紫外域光の集光には屈折率を利用する透過型レンズを使うことができません。
反射光学素子を用いなければならないのです。
更に、波長が短いために、反射光学素子の面精度を極めて高くしなければ、回折限界での集光を達成することが出来ません。
これまでは、極端紫外域の高次高調波による微細加工は困難であると考えられてきました。
高精度な回転楕円ミラー:問題点の解決
我々はこの問題点を、独自に開発した高い開口数を持つ高精度な回転楕円ミラーによって克服。
回折限界にまで集光した、極端紫外域/高次高調波によって、薄膜サンプルの微細加工に成功しました。
処理の手順:
- 近赤外域/フェムト秒レーザーパルスを、アルゴンガスに集光、
- 極端紫外域(波長約32 nm)の高次高調波を。発生させます、
- 回転楕円ミラーによって、サブマイクロメートル径に集光、
- アクリル樹脂(PMMA)薄膜および金属ナノ粒子レジスト薄膜の加工を行いました。
顕微ラマン分光で評価:
加工部位を顕微ラマン分光によって評価しました。
「加工に伴いPMMA薄膜中の化学結合が切断される」という、「薄膜内の微視的な結晶構造の変化」を明らかにしました。
本研究の意義:
- 「極端紫外域の高次高調波光を高精度な反射光学素子」を用いて、集光すれば、
- 「サブマイクロメートル領域の微細加工が可能であること」が、明らかになりました。
この成果は、レーザーによる微細加工の可能性を大きく広げるものです。
今後の微細加工プロセスへの応用が期待されます。
なお、本成果は2020年5月14日(米国時間)に米国科学誌「オプティクス・レター」にて公開されました。
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_202005181544512389370120.html
OSA | Surface processing of PMMA and metal nano-particle resist
by sub-micrometer focusing of coherent extreme ultraviolet high-order harmonics pulses
Abstract
We demonstrate sub-micrometer processing of two kinds of thin films,
polymethyl methacrylate (PMMA) and metal nano-particle resist,
by focusing high-order harmonics of near-IR femtosecond laser pulses in the extreme ultraviolet (XUV) wavelength region (27.2–34.3 nm) on the thin film samples using an ellipsoidal focusing mirror.
The ablation threshold fluences
for the PMMA sample and the metal nano-particle resist per XUV pulse obtained by the accumulation of 200 XUV pulses
were determined to be 0.42mJ/cm2 and 0.17mJ/cm2, respectively.
The diameters (FWHM) of a hole created by the ablation on the PMMA film at the focus
were 0.67 µm and 0.44 µm along the horizontal direction and the vertical direction, respectively.
The fluence dependence of the Raman microscope spectra of the processed holes on the PMMA sample
showed that the chemical modification, in which C=C double bonds are formed associated with the scission of the PMMA polymer chains, is achieved by the irradiation of the XUV pulses.
https://www.osapublishing.org/ol/fulltext.cfm?uri=ol-45-10-2926&id=431803
東京大ら、極端紫外光を集め微細加工に成功 – EE Times Japan