日本6G:産総研の電磁界解析アルゴリズム:低消費電力材料開発:
Japan 6G: AIST electromagnetic field analysis : low power consumption:
日本6G:AIST电磁场分析算法:开发低功耗材料
産総研:
100GHz帯域の誘電率測定:
2020年6月、「100GHz超の帯域まで、金属材料の誘電率を測定できる技術を開発した」と発表した。
6G(第6世代移動通信)システムに向け、低消費電力を可能とする高周波回路向けの材料開発に弾みをつけています。
日本の6Gシステム:
2030年頃にも導入が計画されている日本の6Gシステム。
高速大容量通信の実現に向け、100GHzを超える周波数帯の利用が検討中。
6G実現のための課題:
- 高い周波数でも、
- 回路伝送損失を小さく抑える材料開発や、
- この特性を検証する計測技術などの実現。
EE Times Japan
https://eetimes.jp/ee/spv/2006/23/news029.html
産総研:ポスト6Gの低消費電力化に向けた超広帯域での材料計測技術
重要なポイント
- 金属導電率を10 GHz~100 GHz超の超広帯域で、簡便に測定する技術を実現
- 共振特性の鋭さから、導電率を厳密に決定する電磁界解析アルゴリズムの開発
- 次世代・高速大容量通信の低消費電力化に向けた先端材料開発への貢献に期待
概要
金属材料の導電率測定
高周波平面回路などに用いる金属材料の導電率を、100 GHz超までの超広帯域にわたって簡便に測定する技術を開発した。
6Gの高速大容量通信を実現するために、100 GHz超・周波数の利用が見込まれる
伝送損失と周波数の関係
- 一般に、回路の消費電力を左右する伝送損失は、周波数が上がるほど増大する。
- そのため、低消費電力の先端材料開発が、6G実現に強く求められている。
高周波回路の伝送損失
高周波回路では、誘電体基板の誘電損失と金属線路の導電率で決まる導体損失により回路全体の伝送損失が決まる。
ミリ波帯、導電率の低下が問題
金属と誘電体の接着性を保持するために誘電体表面は粗化されるが、ミリ波帯では粗化による導電率の低下が問題となっていた。
従来の問題点:共振器による導電率の計測
- しかし従来の導電率計測では、極小の誘電体柱からなる共振器が必要。
- また、誘電体柱・サイズで決まるので、単一周波数のみの測定しかできない。
- そのため、100 GHz超周波数帯で、金属導電率を簡便に計測する技術は確立されていない。
今回の解決策:電磁界解析アルゴリズムの利用
- 今回、誘電体基板で金属箔を挟んだ誘電体共振器を制作。
- この誘電体共振器に対する、その高次モード励振の共振特性の鋭さを算出、
- 導電率を厳密に決定できる電磁界解析アルゴリズムを開発した。
電磁界解析アルゴリズムの実現
誘電体の精密な機械加工を必要としない、簡便な測定系アルゴリズム。
金属導電率を10 GHz~100 GHz超の超広帯域にわたって、簡便にかつ従来技術と同等の精度で計測できる。
今後、高周波化の開発:
今回は110 GHzまでの測定にとどまった。
誘電率測定:
一方で、誘電率測定では、極細同軸線路を利用して、170 GHz信号を入力できる共振器を実証している。
導電率測定:
導電率測定についてもさらなる高周波化の開発を現在進めている。
今回開発した技術で、6Gの低消費電力化に向け、先端材料開発を加速できる。
この技術の詳細は、オンライン開催される国際会議International Microwave Symposium (IMS) 2020
ウェブサイトにて2020年6月21日に発表。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200621/pr20200621.html