一帯一路に批判集中:苦悩に喘ぐ債務国の現状
One Belt, One Road: A debtor country in distress
一帶一路:陷入困境的債務國
ーモンゴル、エジプト、パキスタン、スリランカ、トルコ向けスワップ延長
ーオマーン、アンゴラ、ベネズエラ向け中期融資
Forbes JAPAN掲載記事からSummaryをお届けします。
強欲な一帯一路:
中国は10月中旬、「一帯一路」10周年を迎えた。
ハイレベル・インフラの整備と、国際開発支援の中国主導プログラム。
しかし中国は強欲で、細霧国と物議を醸してきた。
独キール世界経済研究所:
今一帯一路プロジェクトで。’返済困難国に対する追加融資’が大幅に増加。
’中国の融資条件や不透明な慣行’が、研究者から批判を浴びた。
流動性スワップの期限延長:
モンゴル、エジプト、パキスタン、スリランカ、トルコなどに対し、
中国は、2015年から2021年にかけ、多額の流動性スワップ期限を延長した。
延滞国に対し追加融資:
オマーン、アンゴラ、ベネズエラなどは、延滞状況に陥った。
返済を繰り延べ、連続で追加融資を増額している。
同期間中、国際収支改善の目的で、少なくとも10億ドル(1500億円)の中期融資を受けた。
モンゴル:
中国に対して多額の債務を抱えている。
2000年代のコモディティブームのあと、苦境に陥った。
モンゴルの対中債務額:
2021年、国民総所得(GNI)の24%に相当し、世界で最も高い水準にある。
パキスタンとエジプト:
一帯一路プロジェクトから、多額の融資を受けた。
国内経済の低迷により、中国提案の救済融資を受け入れた。
返済困難国の割合:
2010年、一帯一路の返済困難国割合は、わずか5%だった。
2022年、一帯一路ポートフォリオの内、返済困難国割合は60%に激増。
中国の救済融資額:
2014年、救済融資額は110億ドル(1兆6500億円)だった。
2015年、近年急増して300億ドル(4兆5000億円)に達した。
アルゼンチンに救済融資:
アルゼンチンの経済危機で、救済融資を80億ドル(1兆2000億円)も増額。
アルゼンチンの対中借入:
2022年、アルゼンチンが中国の一帯一路に参加。
実は、それ以前から、中国の融資を受けていた。
ベネズエラの対中借入:
2022年、中国はベネズエラに、国際収支改善の目的で、100億ドル(1兆5000億円)を融資。
一帯一路の不当な融資条件:
ー中国の融資返済条件は、高利貸し並みー
しかし、中国が提供する開発支援融資の条件は、極めて劣悪だ。
国際通貨基金(IMF)、世界銀行、パリクラブ加盟国などと比べ、極めて悪質だ。
利率の高さや返済期間が短い:
これらは、とりわけ発展途上国にとって困難を招く。もちろん、中国の救済融資についても同じ。
キール世界経済研究所:
中国の融資利率は5%:
IMF救済融資の利率が通常2%である。しかし、中国の利率は5%なのだ。
加えて、中国の流動性スワップ期限の先延ばしが、何年も続く。
融資条件が非公開だ:
返済国の隠れたの長期債務となり、透明性に欠ける。
債務免除規定も無し:
2000年代、IMFは債務免除に本格的に取り組んだ。
しかし、一帯一路では債務免除規定が明記されていない。
インフラ・プロジェクトの株式譲渡問題:
現在、’一帯一路での株式譲渡の取り扱い’が、問題視されている。
中国は、融資返済手段として、一帯一路プロジェクトの株式譲渡を容認している。
これを使って、返済国の中国依存を更に高めるのだ。
中国が、’株式譲渡で得たアセット’で、’更に中国優位を進める懸念’がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6055b66b425839c7529afe8cebbbe1d3937571da
中国の一帯一路:債務が莫大な上位5カ国
Forbes JAPAN 掲載記事からSummaryをお届けします。
世界銀行のデータ:
中国に対して多額債務を抱えるのは、大半がアフリカの国。
中央アジア、東南アジア、太平洋地域が、これに続く。
世界の低所得国:
これらの国々が今年、他国借り入金額のうち37%は、中国からだ。
対中債務のランキング:(97カ国中、2020年末)
1.パキスタン(773億ドル)、
2.アンゴラ(363億ドル)、
3.エチオピア(79億ドル)、
4.ケニア(74億ドル)、
5.スリランカ(68億ドル)、
ジブチとアンゴラ:
中国に対する債務が、国民総所得(GNI)に占める割合が大きい。
ジブチとアンゴラのその比率が、40%を超えた。
GNIは国内総生産(GDP)に近い。居住者が国外で得た所得も含めた指標だ。
ラオスの対中債務:
また、中国との間をつなぐ鉄道が昨年開通したばかりのラオス。
対中債務がGNIの30%を超えており、すでに債務の負担が大きな問題。
対中債務のGNI比が大きい国トップ5:
ジブチ─43%
アンゴラ─41%
モルディブ─38%
ラオス─30%
コンゴ民主共和国─29%
出所:世界銀行、スタティスタ・リサーチ
中国による債務免除はあり得るか?
中国が低所得国に貸し付け:
2010年、貸付金額は400億ドル(5兆4800億円)だった。
2020年、貸付金額は1700億ドルにのぼっている。
スリランカの港譲渡の悲劇:
債務返済に問題が生じた場合、中国がその国のインフラに多大な影響力を持つ。
スリランカの港は、その例としてよく知られている。
中国からの融資で建設されたが、返済ができなくなった。
なんと、管理会社株式の70%が、中国側に譲渡された。
英国王立国際問題研究所(チャタムハウス):
スリランカの港について、今後中国に有利に働く可能性ありと警告した。