中国:EUの補助金批判に強烈な不満
China: Strong dissatisfaction with EU subsidy criticism
中方:對歐盟補貼批評強烈不滿
ーテスラ、BYD、SAICがコメントを拒否ー
ー「テスラは、補助金得ていたのか?」が焦点にー
hisayoshi-katsumata-worldviewからサマリーをお届けします。
中国汽車工業協会:
9月26日、「EUの中国製EV補助金に関する調査」に反対声明を発表した。
EUが、調査や規制措置実施を行わないよう求めた。
テスラ、BYD、SAIC各社がコメント拒否:
中国各社が補助金をもらっていなければ、堂々と否定するはず。
仮に、補助金を得て輸出したなら、「政府は、企業と結託していたこと」になる。
中国のEU向けEV輸出:
中国のEV輸出の48.1%(2022年)が、欧州向けだ。
それ故、EUによる政府補助金調査に対し、中国は神経質なのだ。
中国EVメーカーに政府補助金:
中国EVメーカーは、工場建設段階から多額の政府補助金を得てきた。
中国汽車工業協会の主張:
9月26日、中国企業は市場競争で、イノベーションを続けてきた。
「補助金に支えられたものではない」と主張。
「世界の消費者から受け入れられた」と強調。
ブルームバーグ(9月26日付)
「EUの補助金調査の標的は、テスラの中国製EV」と題する記事を掲載した。
「中国国家補助金の恩恵を受けているメーカー」は多い。
「その中に、米国のテスラも含まれていた?」かもしれない。
テスラ株が急落:
報道を受け、米株式市場の時間外取引でテスラ株は一時1.6%安と下落した。
シュミット・オートモーティブ・リサーチ
テスラのEU向け輸出:
今年1~7月上海工場から納車台数の47%、9万3700台を西欧で販売した。
中国製EVのEU向け輸出:
次に多いメーカーはSAICで、5万7500台。
日本経済新聞 電子版(9月25日):
「中国、EUの補助金批判を回避できるか?」と題する記事を掲載した。
安価な中国製の流入拡大は、中国政府の補助金が原因だ。
安価な中国製が席巻すれば、欧州メーカーは商機を失い、雇用減につながる。
一方、中国側は、補助金と販売価格の相関性を否定。
中国のEV補助金支給が終了:
中国業界団体:崔東樹氏
中国政府は、「EV補助金を2022年末に終了した」と話した。
つまり、「2022年末まで、補助金を出していたことを認めた」のだ。
この発言が突破口になって、過去の補助金実態が明らかになる。
EUの自動車産業:
ドイツ・フランスを中心に、EUは多くの雇用を抱える。
中国内の欧州車販売シェア:
2019年の23%から、2023年1~6月に18%に低下した。
補助金を背にした中国製EVを、EUは絶対に許せない。
欧州に広がる警戒感:
中国EVメーカーは劣勢を察知して、EUでのEV工場建設を臭わせている。
比亜迪(BYD)
9月、独ミュンヘン展示会で「年末に、完成車工場の立地選定を終える」と述べた。
長城汽車
独やハンガリー、チェコを候補地に工場新設を検討していると話した。
上海汽車集団
9月中旬「欧州での自動車組立工場の選定を始めた」と工場新設を明らかにした。
奇瑞汽車
英政府と工場建設で協議中だと英メディアが報じた。
https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/33375051.html