東京工業大学:核融合炉で水素製造を実現する(動画):
TIT: Realizing hydrogen production in fusion reactors:
东京工业大学:实现聚变反应堆制氢:
ー900℃で機能するスゴい液体金属を合成ー
東京工業大学
横浜国立大学、
量子科学技術研究開発機構核融合炉ブランケットの高性能化。
900度Cで機能する液体金属の合成法を開発した。
900度Cで機能する液体金属:
- リチウムと鉛を350度Cの低温で一気に混ぜ合わせ。高純度リチウム鉛合金作製。
- 900度Cにおける腐食性に耐えられる構造材材料を発見。
水素を製造可能な核融合炉の実現などが期待される。
高純度リチウム鉛合金を合成:
- リチウムと鉛は、
- 密度が20倍程度異なり、
- 均一に混ぜるのは困難だった。
研究グループ:
- マッシャー型かくはん器を使いた。
- 減圧環境下で両者を混合し、
- 「不純物の昇温脱離」に成功。
原子組成において鉛84%、リチウム16%の高純度リチウム鉛合金を、
10キログラム合成することに成功した。
- 中性子を吸収して放射性物質を作るビスマス濃度や、
- 構造材料を腐食させる溶存窒素濃度を、
- 「従来の10分の1以下」にできた。
高純度リチウム鉛合金の特性:
この合金を用いて、900度Cまで加熱して各種構造材への耐食性を調べた。
耐食性の検査結果:
「一般に使われる耐食性構造材の316Lオーステナイト鋼」は、激しく腐食した。
一方、
「鉄クロムアルミニウム酸化物分散強化合金」はほとんど腐食しない。
この合金は、
保護性のある5マイクロ―10μmの酸化被膜を自己形成し、耐食性を維持する。
水素製造可能な核融合炉の実現:
この発明を簡単に言うと、
核融合炉で発生するエネルギーを、より高温で取り出せる。
今まで600度だったのが、900度になる。
「熱の運び屋になりうる液体金属合成に成功した」のだ。
水素生成プラントの熱源:
この温度だと、
- 水素を生成するプラントの熱源として、そのまま使える。
- 発電だけでなく、高効率の水素製造にも使える。
核融合炉のブランケット:
「高エネルギー変換が求められ、液体金属をブランケット内に流す手法」が期待されている。
900度Cで使えれば、核融合炉燃料増殖などに加え、水素製造熱源にも応用できる。
従来の液体金属の温度域は大半が600度C以下だった。
液体金属の腐食性:
現在の問題点として液体金属は、腐食性が高く、容器やパイプなどを痛める。
今回の開発:
「今回、液体金属に腐食されない材質も同時に発見した」ので、大丈夫だ。
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