金沢工大:マイクロ波無線で電力伝送:世界最高、電力変換効率(動画):  KIT: Power transmission by microwave wireless: Highest power conversion: 金泽工业大学:微波无线电力传输:世界上最高的功率转换效率

 

金沢工大:マイクロ波無線で電力伝送:世界最高、電力変換効率(動画): 
KIT: Power transmission by microwave wireless: Highest power conversion:
金泽工业大学:微波无线电力传输:世界上最高的功率转换效率

ノーベル物理学賞天野浩教授:

ノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授らの研究グループが、「無線で効率よく電力を送ることができる新たな技術」を開発しました。

従来の無線電力伝送技術:

電線を使わず無線で電力を送る技術は、既にスマートフォンの充電器などで、実用化されています。

しかし、送ることができる電力量が少ないことや、距離が短いことなどが、課題となっています。

今回のマイクロ波伝送技術:

研究グループは、マイクロ波を使った新たな技術の開発に取り組みました。

その結果、「送電時の電力変換効率を、世界トップクラスの高さにすること」に成功しました。

窒化ガリウムを使用:

ノーベル物理学賞の受賞対象となった青色発光ダイオードの材料「窒化ガリウム」を採用。

窒化ガリウムで、「従来の3倍の電力を、無線で受けることができる部品を開発した」ということです。

10ワットクラスの電力送信無線:

研究グループでは、2022年度までに、「10ワットクラスの電力を無線で送るシステム」を確立させたいとのこと。

実用化されれば、

  1. ドローンに電力を送ったり、
  2. 電線のない場所でも必要なときに供給でき、
  3. 河川の水位のデータなども集めることが可能、

NHKニュース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200923/k10012631391000.html

マイクロ波(5.8GHz)を用いた無線電力伝送:

ー世界最高の電力変換効率を達成ー

  1. 遠距離を飛ぶドローンへの送電や、
  2. 機器などへの高効率な送電、
  3. 宇宙太陽光発電での地上への送電にむけ、研究を加速

2020.9.23

金沢工業大学 工学部 電気電子工学科
伊東健治教授、
坂井尚貴研究員らの研究グループ:

マイクロ波(5.8GHz)・受電レクテナにおいて、「世界最高の電力変換効率となる92.8%」を、達成しました(1W入力時)

*レクテナとは:

(rectenna):整流回路(rectifier)付きアンテナ(antenna)のこと

今回の受電レクテナ:

  1. 従来の「受電アンテナ+回路+ダイオード」構成から、構成を変更。
  2. 今回「受電アンテナ+ダイオード」構成を採用、回路による損失を削減。
  3. マイクロ波から直流への電力変換効率を限界まで高めました。

受電アンテナの形状を改善、従来の回路機能を、全て受電アンテナで実現しています。

今回の整流用半導体:

整流用半導体として、「三菱電機で開発されたマイクロ波特性が良好なGaAsダイオード」を適用、高い効率を得ています。

成果の意義:

  1. 今回は、1W受電での高効率化を達成しました。
  2. 次回は、10Wの高効率受電技術確立に取り組みます。

本研究で受電レクテナ(受電アンテナ+整流回路)での損失を最小化し、最高効率を実現する技術を確立しました。

高耐圧GaN、HEMT型ダイオード:

10Wの高効率受電技術確立のために、

名古屋大学/名古屋工大学/三菱電機により、開発が行われている高耐圧ガリウム・ナイトライド(GaN) HEMT型のダイオードを用いる計画です。

KIT 金沢工業大学

https://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2020/0923_itoh.html